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2024/05/19  [PR]
 

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 初代  cm:0

今初代に萌えに萌えているのです。
そして元々獄骸好きな私がGスペにハマらない訳がなく、更には実を言うと獄寺のビジュアルはかなり好みな訳でネックは性格だった訳です。
その性格が私好みに矯正されたとなれば、ハマらない訳がないのです。
そんなこんなで、多分私のGは5割増しくらい男前です。

しかし凄いラブラブにしたかったのに、終着点がなんか…違う方向に行ってしまいました…あれぇ。
あ、あと初代と愉快な仲間たちのカテゴリを初代に修正して、今後初代関連の物を書いたらそこにぶっこみます、あしからず。



「どうした、スペード。それでおしまいか?」
豪奢な革張りの椅子にゆったりと膝を組んで座る人物、現ボンゴレファミリー統帥ジョットは、くすくすと漏れる笑みを隠そうともせずに目の前に立つスペードに声を投げかけた。
言われたスペードの方はと言えばそれがまさしく図星だったのかぐっと声を詰まらせると、握りしめていた拳をぶるぶると震わせながら俯く。
「もういい加減にしたらどうだ。私に敵わないことなど自明の理だろうに」
「……うるさい…っ」
いついかなる時でも、最早奇襲であろうとも構わないとまで言われたスペードは、これまで手を変え品を変え何とかこの目の前に座る偉そうな人物の命を獲ろうと躍起になっていた。
しかし彼は強かった。
後に『超直感』と呼ばれる能力が既に開花してたせいもあるかもしれないが、ジョットはそれを抜きにしても、これ以上なく強かった。
少なくともアラウディやナックルと言った人物達が、彼の強さを見込んで手を貸してくれるようになったくらいには。
「おい、ジョット。それくらいにしてやれ」
「くく…こうして最後にGに口添えしてもらうのも、最早お約束だなスペード?」
「ジョット!」
横に従えていた幼馴染が見るに見かねて静止に入るのもいつもの事でそれがあからさまにツボに入ったのか、ジョットはいよいよ肩を震わせるまでに笑いを大きくすると、口元に手を当てて顔を背けた。
「…そうして笑っていられるのも、今のうちだけです。せいぜい寝首をかかれぬよう気を付けなさい!」
「くくく…その言葉ももう何回聞いた事か」
ジョットの小馬鹿にしたような態度に業を煮やしたスペードは、とうとう捨て台詞を吐き捨てながら近場の窓のさんに足をかけ勢いよく窓を開け放つ。
しかしそれと同時にその背中からとどめの声が上がり、怒り狂ったスペードは振り返ることもせずに飛び降りて行ってしまった。
「…あまりからかってやるな」
喧騒が去り俄かにしんとした室内に、ぽつりとGの声が落ちる。
背後に立つ幼馴染を振り返ればその表情は僅かに曇り、本心からスペードを心配しているのが窺えた。
「どうにもあいつの反応が面白くてな」
「その為だけにからかわれてると知ったら、泣くぞ」
「いっそ泣けばもっと面白いのに、と言ったらどうする?」
これ以上ない楽しげな表情でそう言われ、Gはとうとうジョットを説得するのは諦める事にし、すいとジョットの背後から抜けると重厚な扉を開ける。
「…行くのか?」
「…放っておいたら、可哀想だろ」
お互い主語は言わなかったけれども、話題の中心にあるのが先程までここにいた人物だという事は確認するまでもなかった。
いつもの事だと言わんばかりのGの物言いにゆったりと笑みを浮かべたジョットは、今にも部屋を出ようとしている腹心の部下に声を投げかける。
「少しは私に感謝してしかるべきじゃないのか?」
「…何を?」
「こうしてあいつの元を訪れる口実を与えてやってるのは、誰だろうな?」
振り返らずに会話を続けていたGは最後のジョットの言葉にも動揺する事もなく、しかしやはりかといった表情で苦笑いを浮かべるとそのままスペードの部屋へ向かうべく足を踏み出した。
「…まあ、せいぜい上手くやる事だ」

ほどなく目的の部屋の前に辿り着いたGはノックをする事もなくいきなり扉を開けると、その人物がいるであろう寝室を目指す。
「おい、いるのか?」
声をかけながらひっそりと閉まった扉を開けると中は暗く、しかしそれに構わず足を進めると中央に設えられたベッドに人の気配を感じた。
「スペード?」
「………」
薄暗い中目を凝らして良く見ればかの人物はベッドにうつ伏せに伏せっており、Gはそれを見てため息をひとつ落とすとベッドサイドに歩み寄って無防備に晒された後頭部にぽふりと手を乗せる。
「…触らないで下さい」
「…嫌なら、力づくで退ければいいだろ」
するすると滑る髪を弄りながら優しい口調でそう言ってやれば、スペードはやはり本気で嫌がっていた訳ではなかったのかそれ以上の苦情は出ず、静かにされるがままになっていた。
「僕を、笑いに来たんですか」
「ちげーよ」
Gは今までだって一度たりとも自分を嘲笑いに来た事などなかったけれども、今日こそは呆れられたのでないかと心配になって毎回聞いてしまう。
G自身もその事を理解しているので毎度説き伏せるように、優しくそう返してやるのだった。
「…G」
「ん…?」
「…いえ、なんでも、ありません」
「…そうか?」
ジョットと対峙している時とはまるで違う雰囲気を醸し出すGに思わず流されてしまいそうになるが、やはり今日もその言葉を口にする事は出来そうになかった。
「…スペード」
「……ん、…」
いつもこうして慰め、口付け、最後には身体を繋げる行為に至るまで、彼は一体どんな感情を持って自分に接しているのか。
それを確かめる事は、怖くてどうしても出来なかった。
たとえそれがどうであれ、ああしてジョットに突っ掛かって返り討ちにされ続けている限り、Gはこうして自分を構ってくれるのであろう。
だったら、感情がここにあろうとなかろうと、それが例え刹那の時間であろうとも彼をこの手に出来るのならば、答えなど必要ないのだ。
「………G」
それでも彼の名前を口ずさむたびに、視界が滲むのを止める事は出来なかった。

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